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互助会とはどんな仕組み?メリット・デメリット、よくあるトラブル例も紹介!

葬祭

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互助会に入っていたおかげで、故人の葬式代を安く押さえられた」といった会話を聞いたことがあるかもしれません。

この「互助会」という言葉の意味は何となく分かっていても、どのような仕組みで成り立っているのかまで詳しく知っている人は少数ではないでしょうか。

そこでこの記事では、互助会の基本的な仕組みをはじめ、入会するメリット・デメリット、さらに「どのようなトラブルがあるのか」やその対策方法など、互助会の入会を検討している人向けに解説していきます。

互助会(ごじょかい)の意味や仕組みは?

まずは互助会の基本的な仕組みとして、「正式名称」「掛け金」「冠婚葬祭サービス」の3つについて、それぞれ解説していきます。

互助会の正式名称は「冠婚葬祭互助会」

「互助」にはその名の通り、「互いに助け合う」という意味があります。

「互助会」の正式名称は「冠婚葬祭互助会」と言い、互助会の会員が将来の結婚式やお葬式といった冠婚葬祭に備えて共同で毎月掛け金を出し合って積み立てていく相互扶助の仕組みです。

経済産業大臣の認可事業のため認可を受けた事業者のみが互助会サービスを提供できるという点が特徴となっています。

また、互助会の8割が「一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会」に加盟しており、万が一、事業継続が困難になった場合は、同協会がサービスを保障します

ちなみに、消費者保護の観点から、互助会が預かる前受金は割賦販売法によって経済産業大臣の指定する機関が前受金の1/2を保全する事が義務づけられています。

掛け金は毎月一定額の積み立てが主流

互助会の掛け金は、おおむね60〜120回払いから選び、月々1,000〜5,000円ほどを積み立てていくのが一般的です。

たとえば一口24万円を60回(5年間)で積み立てるプランの場合、毎月の掛け金は4,000円になります(掛け金は何口でも増やすことが可能)。

プラン(契約金額)は「どの互助会に入会するのか」によっても異なるので、事前に確認するとよいでしょう。

なお、基本的に月賦払いだけではなく、一括払いにも対応しています。

互助会で受けられる冠婚葬祭サービスの例:葬儀

入会する互助会によって、使える冠婚葬祭サービスは異なります。たとえば葬儀にかかる費用は、どのように充当できるのでしょうか。

葬儀の費用は、おおまかに以下のように分けられます。

  1. 葬儀一式費用(葬儀用具、棺・納棺用品、祭壇費、霊柩車、式場利用料など)
  2. 飲食接待費(精進落としの料理代、会葬返礼品など)
  3. 宗教者への謝礼(お布施代、車代など)

 

互助会の会員になると、(1)の葬儀一式費用に積立金を充当できたり、会員価格で利用できたりするなど、費用を抑えることができるでしょう。

たとえば葬儀一式費用がトータル50万円だとしても、互助会で24万円プランを契約していれば、50万円のところを24万円が充当され葬儀費用を抑えることができたり、式場使用料が半額になることがあります。

(2)の飲食接待費と(3)の宗教者への謝礼に関しては、葬儀スタイルや宗教によっても金額が異なるので、互助会の費用は充当できない可能性があります。

互助会の積立金の使い道は加入を検討している互助会にお問い合わせください。

互助会に入会するメリット

互助会の基本的な仕組みや掛け金について説明しましたが、この章では互助会に入会する5つのメリットを解説するのでしっかり押さえましょう。

急な多額な出費に対応できる

互助会の最大のメリットは、急に発生する多額な出費に対応できる点です。お葬式はある日突然起きますし、数十万〜数百万円と高額の費用がかかります。

「葬儀の費用をすぐに用意できない」と資金面で悩む人も多いようですが、互助会で積み立てておくことで生前に葬儀費用を確保できます

葬儀費用が割引される

先述したように、互助会の会員になれば葬儀費用が会員割引となるため、葬儀費用自体のコストダウンにつながります。

仏式、キリスト式、神式など葬儀プランも幅広く、お金をかけた重厚な施設が多いため、豪華な葬式を挙げたい人にもおすすめです。

会員価格の割引率は互助会によっても異なりますが、葬儀費用が30〜50%おトクになるケースもあります。

互助会の権利を友人や家族に譲渡できる

互助会に加入すれば、儀式の施行権利(冠婚葬祭にかかわるサービスを受ける権利)を獲得できます。名義変更手続きを行うことで、友人や家族への権利譲渡が可能な場合もあります。

たとえば将来に備えて互助会に加入していた教職員の弟が、高齢で自営業の兄に権利を譲るといったこともできます。

このように利用したい人に譲渡できる点もメリットですが、互助会によって名義変更で権利を譲渡できる範囲を限定している場合もあるので、事前に互助会に確認することをおすすめします。

結婚式や成人式といった葬儀以外の儀式にも使える

互助会の積立金の用途は、葬儀だけではありません。子どもや孫に結婚式で使ってもらったり、生前に自分の仏壇を購入したりすることもできるでしょう。

加入する互助会によっては、七五三や成人式といった儀式でも利用できます。「どのような使い方が可能なのか」に関しては、事前に互助会に問い合わせて確認しましょう。

ホテルやレストランなどの提携があれば割引サービスが受けられる

互助会が提供するサービスには、ホテルやレストランといった提携施設での割引や、オンラインショップや映画館での会員優待価格などがあります。

他にも互助会によっては遊園地・テーマパークのレジャー割引、スポーツクラブ・レンタカーの会員割引に対応しています。

互助会に入会するデメリット

ここまで説明したようにメリットが多い互助会ですが、加入後に後悔しないためにも、デメリットについて押さえておくことが大切です。

ここでは、主なデメリットを3つ紹介します。

互助会が破綻するリスクもある

互助会は民間企業なので経営破綻するリスクが少なからずあります

ただし入会した互助会が倒産しても、今まで積み立てた金額の2分の1は返金されます。先述したように、経済産業大臣の指定する受託機関によって半額が管理維持されているためです。

また救済措置として他の互助会が引き継ぎ、加入することもできます(ただしこの場合も、積み立てた金額の2分の1となります)

解約するときに手数料が必要

互助会を解約すると、解約手数料が発生します。

一般的な解約手数料は、支払った金額の10~20%程度です。50万円支払った場合は、5万~10万円の手数料が引かれる計算になります。

しかし支払い回数によっては払戻金が出ないケースもありますし、掛け金を納めた回数によっても変化することがあるでしょう。

互助会の運営方針は個別に決められているため、契約前に解約についてしっかり確認することが重要です

解約トラブルが少なくない

上記の解約手数料のように入会時に契約内容をきちんと確認しないことで、互助会解約時にはトラブルが少なくありません

また、故人が互助会に加入していたことを知らず、遺族が他の葬儀社を利用しても原則返金されません。

解約の手続き自体が複雑だったり、解約を止めるために説得されたりするなど、解約時のトラブル事例があります。

次の章で互助会でよくあるトラブルについて詳しく解説していきます。

互助会でよくあるトラブルは?その対処方法も紹介

ここでは、互助会に加入した後に起きうるトラブルについて紹介します。先述した解約時のトラブル以外にも、サービス利用に関するトラブルを説明しますので、しっかり内容を押さえましょう。

サービス利用に関するトラブル

たとえば長期間積み立てをした後、いざ葬儀で充当しようとしたところ、利用できるプランが制限されたという事例です。

満期になった5口分をすべて使おうとしたところ、「2口分しか利用できない」と言われたというケースもあります。

加入している互助会によって一回で利用できる口数は異なるものの、互助会やプランには利用できる口数に制限を設けていることがあります

他にも、互助会と契約するときに「どんなサービスでも利用できますよ」「口数を多く持っていれば、突然の出費が抑えられますよ」などのセールス文句に乗せられ、契約してしまった人もいます

コース(契約金額)によってサービスの内容は異なるのは当然のことなので、契約時にはどんなサービスが付与されているのかもしっかり確認しましょう

また当然の出費に抑えられるのが互助会のメリットであるものの、互助会の費用で葬儀代はすべて賄うのは難しいため、あくまでも葬儀代の一部に充当されるものという認識を持っておくことが大切です。

互助会のサービス利用に関するトラブルは、契約する側がプラン内容を確認していないことでも起きやすいため、トラブルに発展しないためにもしっかり確認した上で契約しましょう。

解約に関するトラブル

加入している互助会によっては、先述の「解約手数料が高すぎる」「返戻金が少ない」といったトラブルが起きることがあります。

互助会の解約は、基本的に特別な理由がない限り、払戻金から約款に基づき計算された解約手数料が引かれる仕組みとなっています。

満期を迎えた場合でも、サービスを利用せずに解約すると、解約手数料が発生するのが一般的です。

互助会の掛け金は、銀行の預貯金や生命保険の満期金とは性質が異なるため、掛け金のすべてが戻るわけではないと覚えておきましょう。

契約時にはパンフレットや約款をしっかり読み込み、不明点をクリアしてから契約することが大切です。

まとめ 葬儀費用の心配を残したくないなら全国シルバーライフ保証協会におまかせ

将来、冠婚葬祭などのサービスを受けるために、会員が毎月の掛け金を積み立てていく仕組みが互助会です。

掛け金は毎月一定額が主流ですし、急で多額な出費に対応できる、葬儀費用が軽減できるなどのメリットがあります

一方デメリットもありますので、入会前にしっかり確認することが大切です。

自分の葬儀に備えて互助会の入会を検討しているなら、一般社団法人全国シルバーライフ保証協会の「葬儀信託プラン」もご検討ください(東京シルバーライフ協会ではカナエルの「葬儀納骨パック」として提供しています)。

葬儀信託プランは互助会とは異なり、生前に葬儀のご希望を伺い、それにかかる費用を一括でお預かりし契約者がお亡くなりになった際にその通りに葬儀の手配を行うサービスですので自分の希望通りの葬儀をしたい」「葬儀の煩雑な手続きや葬儀費用の心配を家族に残したくない」といった悩みがある場合は、一度ご相談ください。

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この記事の担当者

大倉 弘行シルバーライフカウンセラー│東京シルバーライフ協会代表理事│BF・H株式会社常務取締役

大倉 弘行シルバーライフカウンセラー│東京シルバーライフ協会代表理事│BF・H株式会社常務取締役

2009年ベストファームグループ入社。2013年から高齢者の身元保証、任意後見、死後事務委任等のサービス「オーカスタイル」の立ち上げに従事。2019年 東京シルバーライフ協会代表理事として、同グループの高齢者支援事業の責任者を務める。

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