一口に老人ホームといっても、公的・民間を合わせて色々な種類があり、施設の目的や受け入れの条件、サービス内容や費用は老人ホームごとに異なります。老人ホームへの入居を検討するなら、各老人ホームの特徴を理解したうえで、入居する方の心身の状態や生活に適した施設を選ぶのが大切です。
この記事では、各種老人ホームの特徴や費用相場について解説します。老人ホームの全体像を把握し、適切な施設を選択するために必要な情報ですので、ぜひご覧ください。
老人ホームの種類を知る前に把握しておきたい「介護保険」と「要支援度・要介護度」

ここではまず、介護保険の仕組みと要支援度・要介護度の内容、利用できる老人ホームの種類について解説します。
介護保険制度の仕組みと介護サービスが提供される老人ホーム
介護保険制度とは、要支援または要介護の認定を受けた方が介護サービスを適切に利用できるようにサポートするための仕組みです。
保険者は市町村で、それぞれの地域の40歳以上の方が被保険者として加入しなければなりません。40歳以上の国民は必ず介護保険料を納付しなければならず、介護が必要になった方に介護サービスを提供するための財源となります。介護サービスの利用が必要になった方は、費用の1〜3割の自己負担だけで、介護サービスを利用できます。自己負担の割合は加入者(被保険者)の所得により決定されます。
なお、介護保険の加入者(被保険者)のうち介護サービスを受けられる方は、法の定める条件によって次のように区分されます。
- 第一号被保険者 65歳以上の要支援・要介護状態の方
- 第二号被保険者 40〜64歳で特定疾病が原因で要支援・要介護状態になった方
※第二号被保険者は65歳になると自動的に第一号被保険者に切り替わります。
介護保険の対象として受けられる介護サービスは、たとえば、老人ホームにおける食事の提供や、食事・入浴・排泄の介助、日常生活上の支援などがあります。老人ホームにおける介護サービスは、「特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)」といった「介護保険施設」や、「介護付有料老人ホーム」といった「特定施設入居者生活介護」として都道府県知事の指定を受けた施設などで提供されます。特定施設入居者生活介護について詳しく知りたい方は、コチラの記事も参考にしてください。
要支援度・要介護度とは
介護の必要度を段階的に示すために使われているのが、要支援度・要介護度という指標です。介護を必要とする方の能力を一定の基準のもとで客観的に判定し、要支援1〜2、要介護1〜5のいずれかに分類します。最寄りの地域包括支援センターに相談、または各市区町村役場の高齢者福祉窓口で要介護認定の申請を行うことで、認定を受けることができます。厚生労働省老人保健課によれば、「要介護状態区分別の状態像」として要支援・要介護の判定時に注目される能力の目安を次のように示しています。
要支援・要介護の区分 |
低下している日常生活能力 |
要支援1 |
・起き上がり、立ち上がり |
要支援2/要介護1 |
要支援1の低下能力に加え、
・片足での立位
・日常の意思決定
・買い物 |
要介護2 |
要支援1、要支援2/要介護1の低下能力に加え、
・歩行
・洗身
・爪切り
・薬の内服
・金銭管理
・簡単な調理 |
要介護3 |
要支援1~要介護2の低下能力に加え、
・寝返り
・排便、排尿
・衣服の着脱
・口腔内を清潔に保つこと |
要介護4 |
要支援1~要介護3の低下能力に加え、
・座位の保持
・両足での立位
・移乗
・移動
・洗顔
・整髪 |
要介護5 |
要支援1~要介護4の低下能力に加え、
・麻痺(左下肢)
・食事
・外出頻度
・短期記憶力 |
※厚生労働省老人保健課「要介護認定の仕組みと手順」表は厚生労働省が市町村から国(介護保険総合データベース)に送信されている要介護認定情報に基づき集計
要介護1に該当するか、要支援2に該当するかは認知機能や心身の状態をもとに判断されます。要支援または要介護のレベルは老人ホームの利用条件にも関係してくるため、事前に確認しておきましょう。
老人ホーム11種類の受け入れ条件・特徴を一覧表で紹介

ここでは、老人ホーム11種類(公的5種類、民間6種類)の受け入れ条件や特徴を一覧表で紹介します。
運営 |
種類 |
入居金相場 |
月額相場 |
自立 |
要支援 |
要介護 |
認知症 |
公的施設 |
特別養護老人ホーム
(介護老人福祉施設) |
無料 |
8万円~13万円 |
× |
△ |
〇(要介護3以上) |
△ |
介護医療院 |
無料 |
10万円~20万円 |
× |
× |
〇 |
〇 |
ケアハウス |
一般型 |
数十~数百万円 |
6万円~17万円 |
〇 |
〇 |
△ |
△ |
介護型 |
× |
× |
〇 |
△ |
養護老人ホーム |
無料 |
入居者の前年の収入による(最低0円~) |
〇 |
× |
× |
△ |
介護老人保健施設(老健) |
無料 |
7万円~13万円 |
× |
× |
〇 |
△ |
民間施設 |
介護付き有料老人ホーム |
介護専用型 |
事業者によって異なる |
数十万円~ |
× |
× |
〇 |
△ |
混合型 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
住宅型有料老人ホーム |
事業者によって異なる |
数十万円程度 |
〇 |
〇 |
△ |
△ |
グループホーム |
事業者によって異なる(数百万~数千万円かかるところも) |
15万円~20万円 |
× |
〇(要支援2のみ) |
〇 |
〇 |
健康型有料老人ホーム |
事業者によって異なる |
数十万円程度 |
〇 |
〇 |
× |
△ |
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) |
一般型 |
無料の施設が多い(事業者によて異なる) |
数十万円程度 |
〇 |
〇 |
△ |
△ |
介護型 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
|
シニア向け分譲マンション |
マンションの代金による(数千万円~のものも) |
管理費、共益費、サービス料金、固定資産税などがかかる(マンションによる) |
〇 |
〇 |
△ |
△ |
※◯(受け入れ可能)△(施設による)✕(受け入れ不可)
※費用や受け入れ状況はあくまでも目安で、施設により異なります
公的施設と民間施設とは様々な面で違いがあります。一般的に、公的施設は自治体が運営している分、民間施設よりも費用が安いです。
ただし、老人ホームの種類や地域によっては長期間の入居待ちが発生します。
民間施設は、公的施設よりもサービスが充実しているところが多いです。
しかし、公的施設に比べると入居審査が厳しく、費用が高いというハードルがあります。費用についてより詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。
老人ホームの入居審査に落ちた理由は?入居条件を満たすための対策も解説!
老人ホームの費用の平均額は?入居一時金や費用内訳も詳しく解説!
なお、入居には「連帯保証人」や「身元保証人」が求められることがあります。身近で見つからない場合は、身元保証を依頼できる身元保証代行サービスを利用すると良いでしょう。
【公的施設】老人ホーム5種類の特徴・費用相場・おすすめする人を解説

ここからは、5種類の公的な老人ホームについて、特徴・費用相場・どんな人におすすめなのかを解説します。
1. 特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)
特別養護老人ホームは、65歳以上かつ要介護3以上の高齢者を対象とする公的施設です。条件に該当し、在宅介護が困難で常時介護が必要という状態の方が入居できます。
また、要介護1~2の方であっても特別な事情があれば例外的に入居が認められるケースもあります。
特別養護老人ホームには、通常の個室に加え、リビングスペースを設けたユニット型個室や、ほかの入居者と同室となる多床室などがあります。
入居金は無料で月額費用は8万円~13万円程度なので、十分な介護サービスを受けつつも費用を抑えたい人にはおすすめです。
入居者は、各種介護サービスやリハビリに加え、生活のサポートや健康管理といった日常面でのサポートも受けることができます。
また、施設によっては看取りや医療ニーズに対応していることから、終の棲家としても人気のある施設です。
しかし、人気なだけに待機者が多く、入居待ちがかなりの長期間に及ぶケースはめずらしくありません。
提供されるサービス内容は特別養護老人ホームと同じですが、名称が異なるものに「介護老人福祉施設」があります。根拠法の違いにより、ほとんど同じようなタイプの施設に別名称がつけられています。
2. 介護医療院
介護医療院は、介護療養型医療施設の廃止により2018年に新設された公的施設です。入居できるのは要介護の認定を受けた65歳以上の方です。
介護医療院にはⅠ型とⅡ型があり、Ⅰ型は重い身体疾患や身体合併症を発症している認知症高齢者を対象とする一方、Ⅱ型はⅠ型よりも容態が安定している方が対象です。
長期の療養を前提とする施設であるため、入居者は医療や日常の介護、看取りといった様々なサービスを受けることができます。介護と医療サービスの充実を求めるなら、介護医療院がおすすめです。
なお、個室を利用できるかどうかは、施設によって異なるため事前に確認しておきましょう。入居金は無料、一般的な月額費用は10万円~15万円程度とされています。
3. ケアハウス
ケアハウスには「一般型ケアハウス」と「介護型ケアハウス」の2種類があり、「一般型ケアハウス」は家族の援助がなく自立した生活に不安のある方(通常60歳以上)を対象とし、食事、掃除、洗濯などの生活支援サービスを提供する施設です。
「介護型ケアハウス」は、要介護1以上の65歳以上の方を対象とし、生活支援サービス以外にも介護サービスを提供しています。
介護型ケアハウスは特定施設として介護保険が適用される介護サービスを提供しますが、一般型ケアハウスは介護サービスを提供していないので、外部の介護サービスを利用する必要があります。
ちなみに、現在のところ、ケアハウスは「軽費老人ホーム」の一種とされていますが、ゆくゆくは軽費老人ホーム(A型・B型)がケアハウスに一元化される予定です。
ケアハウスの入居金は数十万~数百万で、月額費用は6万円~17万円程度です。
特別養護老人ホームや介護医療院などと違って初期費用がかかるものの、月額費用は比較的安価だといえます。1人の生活に不安があり、費用を安く抑えたい方に人気です。
ただし特老と同様に待機者が多く、入居待ちが発生するケースもめずらしくありません。
4. 養護老人ホーム
養護老人ホームは、生活環境や経済的な理由により自宅での生活が困難な、65歳以上の方を養護する公的施設です。養護老人ホームは市区町村から入所措置を受けた方が入所できる施設です。
養護老人ホームは入居者の社会復帰や生活の自立を目標とする施設で、長期的な入居を目的としてはいません。介護サービスが必要になった場合は、外部の介護サービスを利用する必要があります。
要介護度によっては退去を求められるケースもあり、その場合は別の施設への住み替えが必要です。
なお、特定施設入居者の指定を受けた養護老人ホームなら介護サービスを受けられますが、基本的には自立支援のための施設だと認識しておきましょう。
経済的に困窮している方や自立した生活が難しい方でも、ゆくゆくは自立した生活を目指すのであれば、養護老人ホームはおすすめの公的施設です。
養護老人ホームの入居金は無料です。月額費用は、老人福祉法の養護老人ホーム被措置者費用徴収基準により前年の収入に応じて決められます。
たとえば、前年の収入が150万円以下の方なら、0~8万1,100円です。前年の収入が150万円以上なら、150万円を超える部分の額に0.9を乗じた額を月数(12)で割り、そこに8万1,100円を足した額が月額費用となります。
5. 介護老人保健施設(老健)
介護老人保健施設は、略して「老健」とも呼ばれる短期間入居型の公的施設です。65歳以上で要介護1以上の方のうち、退院後の在宅生活が困難だとされる方や、リハビリが必要な方を対象としています。
介護老人保健施設の目的は、入居者の在宅復帰です。入居者は、医師や看護師、介護士、理学療法士等による医療措置や介護、リハビリ、生活訓練などのサポートを受けながら、家庭への復帰を目指します。
原則として入所期間は3か月ですが、3か月を過ぎても在宅復帰が困難な場合は入所期間が伸びることもあります。中には看取りを行う施設もあります。
介護老人保健施設の入居金は無料です。月額費用は部屋のタイプ次第ですが、7万円~13万円程度が相場とされています。短期間で身体機能を回復させて、在宅生活に復帰したい人におすすめの施設です。
【民間施設】老人ホーム6種類の特徴・おすすめする人・費用を解説

ここからは、民間施設の老人ホーム6種類について、特徴・費用相場・どんな人におすすめか解説します。
種類が多く比較するのも大変ですが、民間施設の特徴も把握しておくと選択肢が広がるので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームは、特定施設入居者生活介護の指定を受けて、介護サービスや医療、リハビリを直接提供する民間施設で、入居年齢は原則として65歳以上です。
介護付き有料老人ホームには主に要介護認定を受けた方が入居できる「介護専用型」と、自立~要支援・要介護認定を受けた方が入居できる「混合型」の2種類があります。
入居条件が原則要介護3以上の特老よりも幅広く受け入れており、特老に入居できない代わりに介護付き有料老人ホームに入居する方もいるようです。
介護付き有料老人ホームには、看護師や介護士、機能訓練指導員といった専門職が置かれており、入居者は様々なサービスを受けることができます。看取りを行う施設が多く、多様なニーズに対応可能です。
また、ペット可であったり、温泉が備わっていたりするなど、施設ごとの個性もバラエティに富んでいます。
サービスの充実と施設による直接の介護保険サービスを求める方には、介護付き有料老人ホームはおすすめの施設です。
入居一時金は事業者によって異なりますが、無料のところもあります。月額費用には数十万以上かかるところが多く、公的施設に比べると相場が高いです。
2. 住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、 生活相談や見守りといったサービスが提供される高齢者向けの民間施設です。
一般的には60歳以上の方が対象で、介護の必要がない自立の方から要介護の方まで幅広く受け入れていることが多いです。
介護付き有料老人ホームとは異なり、施設から直接の介護サービスを受けることはできません。介護サービスが必要な場合は、外部のサービスを利用する必要があります。看取りに対応するところもあります。
住宅型有料老人ホームでは様々なイベントやレクリエーションが実施されるため、和やかで充実した生活を求める人にはおすすめです。
また、外部の介護サービスの選択と組み合わせによって自分の状態に適した生活を送りたい人にもぴったりの施設だといえます。
入居金一時金が無料か有料かは、事業者によって異なります。月額費用は数十万程度が相場であり、公的施設よりも高額なものの、介護付き有料老人ホームよりは安価なところが多いです。
3. グループホーム
グループホームは認知症患者に対し、家庭的な生活環境と地域住民との交流の機会を提供し、入浴・排せつ・食事などの介護や機能訓練を行い、自立した日常生活を営めるように支援する施設のことです。
入居できるのは認知症の診断を受けた要支援2または要介護1以上の65歳以上のうち、グループホームの所在地と同じ市町村に住所登録をしている方です。
グループホームでは、5名以上9名以下の認知症の方が共同生活を送るので、共同生活を送ることが難しいと判断された方は入居できません。
厚生労働省の基準により、グループホームでは利用者3人につき1人以上の介護職員を配置しなければならないと定められています。
ただし、この基準は日中と夜間とで異なっていることから、24時間ずっと3:1の比率で介護職員が常駐しているわけではありません。
グループホームは、集団生活の中で認知症の進行を和らげたい方に適した民間施設であり、各種介護サービスやリハビリを受けられます。
施設が企画するレクリエーションにも参加できるため、充実した日常生活を送ることができるでしょう。また、看取りに対応したグループホームも増加傾向にあります。
入居一時金は業者によって異なります。無料のところもあれば、百万円以上かかるところもあるなど施設ごとの差が大きいです。月額費用は事業者によりますが、地方よりも都市部のグループホームのほうが相場は高くなります。
出典:厚生労働省|認知症対応型共同生活介護
4. 健康型有料老人ホーム
健康型有料老人ホームは、自立~要支援程度で介護を必要としない高齢者向けの民間施設です。
自立した生活ができるかどうかに重きを置いているため、要介護者や認知症の方は入居できません。入所後に要介護状態になると、退去を要請されます。
入居者は、食事・日常生活支援といったサービスを受けられます。
また、レクリエーションやイベントを実施する施設や、温泉、ジムなどの設備を備えている施設もあるので、生活の負担を減らしつつ快適な生活を送りたい方にはうってつけです。
ただし、介護付き有料老人ホームと比べて施設数がかなり少ないため、身近な地域で施設が見つかるとは限りません。
健康型有料老人ホームの入居一時金及び月額費用は事業者によって異なりますが、月額費用は数十万円程度が相場です。
5. サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、60歳以上の方、要介護・要支援認定を受けている40歳以上の方を対象とする民間施設(賃貸住宅)です。
バリアフリー構造となっており、安否確認や生活相談といったサービスが提供されます。夫婦でも入居できますが、具体的な入居条件は施設によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
自立した生活が送れる方が入居する「一般型」と、介護を要する方が入居する「介護型」があります。
サービス付き高齢者向け住宅はほとんどが「一般型」です。
一般型の入居者は、基本的に、生活相談や安否確認といったサービスが提供されますが、介護サービスを受けるには、外部のサービスに頼らなければなりません。
施設にもよりますが、自立した生活が難しくなった場合には退去を要請される場合があります。ある程度自立した生活を快適に送りたい方や、夫婦で施設に入居したい方におすすめです。
一方で介護型はサービス付き高齢者向け住宅の中でも「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設を指し、特老や介護付き有料老人ホームなどと同様に介護サービスが提供されます。
費用面では、入居一時金が無料の施設が多いですが、敷金や保証金がかかることがあります。月額費用は住宅型有料老人ホームよりも高額で、数十万円程度が相場だとされています。
出典:社保審-介護給付費分科会|高齢者向け住まいについて
6. シニア向け分譲マンション
シニア向け分譲マンションは、高齢者が住みやすいように設計された分譲マンションです。シニア向けであるため、「50歳以上」「60歳以上」などと入居できる年齢に制限を設けている施設もあります。
バリアフリー化されており、娯楽施設の利用、レストランでの食事の提供、常駐コンシェルジュによる対応といった充実したサービスを提供する施設が多いです。
ただし、シニア向け分譲マンションは介護サービスを提供しないため、認知症の方の入居は難しく、基本的には自立した人向けです。介護サービスが必要な場合は、外部のサービスに頼る必要があります。
分譲マンションなので入居にかかる費用が高額となる傾向があります。入居時に必要な費用すなわち売買代金であり、数千万円から億を超える物件もめずらしくありません。
また、設備が充実していることから、管理費も通常のマンションより高額です。そのほか、固定資産税、共益費、生活支援サービス費といった支出も定期的にかかります。
シニア向け分譲マンションは、まとまった金額を用意でき、快適に楽しく暮らせる住まいを購入したい人におすすめです。
老人ホームの探し方
ここまでの解説で、老人ホームの種類についてお分かりいただけたかと思います。しかし、「どのように条件に合う老人ホームを探せばよいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで、ここでは老人ホームの具体的な探し方についてご紹介します。
1. ケアマネジャーに相談して探す
介護が必要な方が老人ホームを探すとき、まずおすすめなのが「ケアマネジャー」への相談です。ケアマネジャーは日頃から本人や家族の状況を把握しているので、「どのような施設が合いそうか」を親身に考えてくれます。
また、ケアマネジャーは、地域の施設情報にも詳しく、パンフレットだけでは分からない雰囲気やスタッフの対応なども知っている場合があります。「ちょっと聞いてみようかな?」という気軽な気持ちで相談できるのも嬉しいポイントではないでしょうか。まずは気軽に相談してみることをおすすめします。
2. 地域包括支援センターに相談して探す
要介護認定を受けていない方や、介護の専門家とのつながりがない方には、「地域包括支援センター」への相談がおすすめです。
地域包括支援センターは市区町村に設置された公的な相談窓口で、介護や医療、福祉、暮らしに関する悩みを総合的にサポートしてくれます。近隣の介護施設に詳しい場合もあるので、老人ホーム探しの相談にものってくれるでしょう。地域包括支援センターが近くにない場合は、自治体にある介護保険課や高齢福祉課などに相談してみるのもよいでしょう。
3. 老人ホーム紹介事業者に探してもらう
「老人ホーム紹介事業者」は、希望条件に合った老人ホームを原則無料で紹介してくれます。依頼者の希望や不安を丁寧に聞き取り、入居候補となる施設を提案してくれます。
電話やビデオ通話での相談に対応している事業者も増えており、遠方の方や外出が難しい方でも利用しやすくなっています。また、施設見学に同行してもらえることもあるので、初めての方でも安心して見学できるでしょう。ただし、老人ホームの紹介業に特別な資格は必要ないことから、事業者によって知識やサービス品質に差があるため、もし不安を感じる場合はほかのセンターの利用も検討してみてください。
4. インターネット検索
自分でインターネットを使って老人ホームを探す場合、まず活用したいのが厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」です。地域別に介護施設を検索でき、基本情報やサービス内容などを確認できます。公的な情報源なので、情報の信頼度が高い点もメリットです。
また、民間が運営する各種の老人ホーム検索サイトも便利です。地域や費用、サービス内容などの条件を細かく設定して検索できるほか、写真や施設の雰囲気、見学予約のための電話番号などもサイト上で確認できる場合があります。複数のサイトを見比べることで、より自分に合った施設を見つけやすくなるでしょう。
老人ホームの選び方
老人ホームを選ぶ際は、自分の状況に合った種類の介護施設をしっかりと見極めることが大切です。ここからは、老人ホームの選び方について解説します。
1. 入居する老人ホームの条件を洗い出す

老人ホーム選びを始めるにあたって、まずは自分や家族の希望に合った「施設の種類」を判断することが大切です。以下に、どのタイプの施設が適しているかを判断するための簡単なフローチャートをご紹介します。
施設の種類が決まったら、次は「どんな施設に入居したいか」という条件を明確にしていきましょう。以下はチェックしておくべき代表的な条件項目とその詳細です。
項目 |
チェックポイントの例 |
費用 |
月額費用・入居一時金・追加費用の有無 など |
介護と医療の体制 |
介護スタッフの人数や配置・医療機関との連携・夜間対応・認知症ケアの有無 など |
リハビリ |
専門スタッフ(理学療法士等)の在籍・個別リハビリの実施の有無・機器の充実度 など |
食事 |
食材の質・調理方法・介護食やアレルギー対応の可否・食事の際の雰囲気 など |
場所と周辺環境 |
駅や病院からの距離・静かさ・治安・家族の訪問のしやすさ など |
設備の充実度 |
居室の広さ・バリアフリー設計・共用スペースの使い勝手・娯楽設備の有無 など |
看取り |
最期まで入居可能か・看取りケアの実績・スタッフや家族へのサポート体制 など |
2. 資料請求・見学で情報を収集する
条件に合った老人ホームの種類や希望を整理できたら、次は実際の施設をいくつかピックアップして情報収集を始めましょう。気になる施設が見つかったら、ホームページをチェックしたり、資料を請求をしたりして詳細を確認します。集めた資料を見比べながら、見学する施設を絞り込んでいくとよいでしょう。
老人ホームは、あなたがこれから長い時間を過ごすことになる場所です。ホームページやパンフレットだけでは分からない雰囲気や職員の対応など、見学を通してしっかり確認しましょう。できれば3つ以上の施設を実際に見学し、比較しながら検討するのがおすすめです。見学の際は、入居者の様子なども見て、自分がこれから生活するイメージを膨らませましょう。
見学時にチェックしておきたい項目をリストアップしました。
カテゴリ |
チェック項目 |
生活面 |
・スタッフが積極的に挨拶をするか
・施設内の整理整頓・掃除は行き届いているか
・入浴と洗濯の頻度
・入居者の表情は硬くないか |
リハビリ・医療面 |
・リハビリの実施頻度
・通院時の付き添い送迎の有無
・常駐看護師の勤務時間帯
・認知症や医療的な理由での退去条件 |
費用面 |
・施設の主治医と往診契約した場合の往診費用
・入院時に月額利用料金で免除される項目の有無と金額
・レクリエーションの参加にあたり別途費用がかかるか
・ホームを退去した場合、入居金はどれくらい返還されるのか |
老人ホームの種類と特徴を把握して自分に合った施設を選ぼう
老人ホームには複数の種類があり、それぞれ違った特徴を有しています。各施設の受け入れ条件やサービス内容、費用相場などを比較し、自分に合った種類の老人ホームを選ぶことが大切です。
また、老人ホームの中には入居時に身元保証人を求められるところもあるため、身近に頼れる人がいない場合は入居できないこともあります。身元保証をお願いできる人がいないなら、全国シルバーライフ保証協会の身元保証サービス「オーカスタイル」がおすすめです。
全国シルバーライフ保証協会は司法書士法人や行政書士法人など士業法人を母体としたベストファームグループの一員で、必要なサポートを見極め、状況に応じたサービスを提案いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
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