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葬儀保険とは?メリットやデメリット、種類について詳しく解説

終活

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終活が注目されている昨今、「葬儀代で遺族に負担をかけたくない」などの理由から、葬儀保険への加入を検討する人が増えていますみなさんは「葬儀保険」について詳しくご存知ですか

この記事では、葬儀保険の基本的な仕組みや種類、メリット・デメリット、選び方などを紹介します。生命保険や互助会との違いも解説します。

葬儀保険とは?

葬儀保険とは、自分の葬儀代や葬儀後の整理費用をまかなうための保険です。一般財団法人日本消費者協会が行った「2017年 葬儀についてのアンケート調査」によると、葬儀費用の平均金額は約196万円です。

葬儀費用の平均が200万円近くかかり、非常に高額です。そのため、将来の葬儀に備えて葬儀費用を積み立てる人も増えているようです。こうした背景から保険会社は「葬儀保険」という商品を販売しています。

葬儀保険の主な特徴は、以下の5つです。

  1. 500円から加入できる商品があり、保険料が割安
  2. 保険金の支払いが早い
  3. 加入時に医師の診察、または診断書審査が不要なケースが多い
  4. 最長で満99歳まで更新可能な商品がある
  5. 葬儀費用以外にも使えるケースがある

 

葬儀にかかる費用が気になりますか?葬儀費用については、以下の記事で解説しているのでぜひご覧ください。

葬儀費用の平均相場はいくら?できるだけ安く抑えるコツとは

生命保険(終身保険)との違い

葬儀の費用をまかないたい」という理由から、生命保険(終身保険)に加入している人も多いのではないでしょうか。

生命保険(終身保険)とは、一定額の死亡保障・高度障害保障が一生涯続く保険商品のことです。被保険者の死亡によって死亡保険金が支払われ、解約した場合も保険料に応じて解約返戻金を受け取れるという貯蓄性があります。

ただし解約返戻金がある分、保険料は高くなります

「互助会」との違い

互助会(冠婚葬祭互助会)で、自分の葬儀代をカバーしたい人もいるかもしれません。

互助会とは、相互扶助の精神に則り、冠婚葬祭に備えて毎月、互助会の会員が共同で掛け金を出し合って積み立てていく仕組みです。積立金は葬儀一式費用に充当できるため、葬儀に伴う出費を抑えられます。また解約する際は、契約に基づいて積立金が返金されます。

一方、葬儀保険の保険料は積み立てではなく掛け捨てであるため、解約しても返戻金が発生しないという違いがあります。

互助会の詳細に関しては以下の記事をご覧ください。

互助会とはどんな仕組み?メリット・デメリット、よくあるトラブル例も紹介!

葬儀保険の5つのメリット

先述した葬儀保険の5つの特徴について詳しく解説していきます。

500円〜加入できる商品も!保険料が安い

葬儀保険は、保険料を少額に抑えやすいというメリットがあります。

そもそも葬儀保険は、「少額短期保険会社」が扱う保険商品の1つです。少額短期保険会社とは生命保険会社、損害保険会社に続いて発足した第三の保険会社であり、取り扱う保険金額(補償限度額)は1,000万円以下と定められています。

また、少額短期保険は「ミニ保険」とも呼ばれており、一般的な生命保険ではカバーできない部分を補完できる商品もあります。保険期間は原則1年(または2年間)に設定されており、一般的な生命保険に比べて保険料は割安です。

保険料については後ほど詳しく解説しますが、中には500円程度から加入できる葬儀保険もあります。ただし加入時の年齢によって、保険料が異なる点に注意しましょう

保険金の支払いが早い

近年ではクレジットカードでの葬儀費用の支払いに対応している葬儀社が増えましたが、今でも葬儀費用の支払いは現金払いまたは銀行振込が基本です。特にお布施は現金なので、早めに葬儀費用として支払う現金を準備しなければなりません

葬儀保険の中には、死亡保険金請求書類受付日の翌営業日に現金で振り込まれる商品もあります。保険金の支払いが早ければ、早期に葬儀費用に回せるため、遺族の金銭的な負担が軽減するでしょう。

加入時の告知で医師の診察、または診断書審査が不要であることが多い

「告知」とは保険契約を結ぶ際に、現在の健康状態、病歴(病名・治療期間)などを保険会社に報告することです。

一般的な生命保険は、この告知の際に医師の診断書や健康診断の結果を提出します。

保険契約では、健康状態や病歴を偽るなど虚偽の申請を行えば告知義務違反となり、契約を解除、もしくは保険金が支払われないなどのペナルティを受ける恐れがあります。

一方で、葬儀保険の場合、商品によっては告知の際に医師の診察、または診断書審査が不要で、告知の手続きが簡素なものもあります。

このように葬儀保険は、持病によって生命保険に加入できない方でも加入しやすい、というメリットもあります。

最長満99歳まで更新可能な商品もある

葬儀保険の中には、満89歳まで加入可能、満99歳まで更新可能な商品が存在します。保険会社によって申込時や更新年齢は異なりますが、長期的に加入や更新ができる点はメリットです。

なお、厚生労働省の簡易生命表によると、2021年度の日本人の平均寿命は男性81.47歳、女性87.57歳という結果でした。高齢化という背景があるため、葬儀保険はニーズにあった保険商品といえます。

葬儀費用以外にも使える

葬儀保険の保険金は、葬儀以外の費用にも使用できます。

例えば

  • 仏壇
  • お墓代
  • お布施・戒名など寺院への支払い
  • 年忌法要
  • 遺品整理の資金
  • 入院費用

などです。

ちなみに金融機関は、口座名義人の死亡を確認すると口座を凍結します。故人の預金から葬儀費用を捻出する場合、「預貯金仮払い制度」を利用する必要があり、金額にも上限が定められているので注意してください。

葬儀保険の保険金は受取人に振り込まれるので、口座凍結で困ることはありません。

なお、預貯金仮払い制度は葬儀代だけでなく当面の生活費としても引き出しが可能です。預貯金仮払い制度の申請方法は金融機関にお問い合わせください。

葬儀保険のデメリット

葬儀保険にもデメリットはあります。加入前に把握しておきましょう。

解約時の返戻金がない

生命保険(終身保険)には満期返戻金や解約返戻金、互助会には積立金が返ってきますが、葬儀保険は1年更新の掛け捨て型なので、一部を除いて解約時に返戻金がありません

また、葬儀保険は年齢に応じた保険料が設定されているため、更新するたびに保険料が上がる商品がある点にも注意が必要です

年齢によって加入期間が長いと元本割れする可能性がある

葬儀保険は掛け捨て型なので、加入期間が長いと受け取れる保険金が、支払った保険料の総額を下回る可能性があります。このような元本割れのリスクも、葬儀保険のデメリットとなります。

基本的に葬儀保険は、若い世代で加入するよりも高齢になってから加入するのがおすすめです。

葬儀保険の種類

葬儀保険の種類には、以下2つのタイプがあります。

  1. 保険金定額タイプ
  2. 保険料一定タイプ

 

それぞれの概要を解説します。

保険金定額タイプ

月々支払う保険料が更新時の年齢によって増えても、受け取る保険金は変わらないのが保険金定額タイプです。例えば、保険金額は100万円という契約のまま、49歳で月々の保険料が1,200円、50歳から1,760円に上がるなどのタイプです。

加齢に伴って支払う保険料がアップしても、受け取る保険金は一定なので、手厚い保険金が欲しい方におすすめです。

保険料一定タイプ

年齢に応じて受け取る保険金が減っても、月々支払う保険料は変わらないのが保険料一定タイプです。例えば、保険料は毎月1,000円という契約のまま、64歳まで保険金55万円、65歳から45万円に減るといった葬儀保険となります。

保障よりも加齢に伴う経済的な負担を軽減したい、または葬儀費用の一部をカバーしたい人におすすめです。

受け取りの保険金はいくらにすべき?葬儀費用の相場も確認しておこう

葬儀保険の保険金は最低で数十万円、最高で数百万円です。必要な保険金の目安は、各葬儀代の平均費用から考えましょう。葬儀形式別の平均費用は次の通りです。

  • 一般葬:100万円~120万円(葬儀の規模によっては約300万円)
  • 家族葬:60万円~80万円(葬儀の規模によっては約100万円)
  • 一日葬:50万円~70万円(葬儀の規模によっては約100万円)
  • 直葬:20万円~45万円

 

一般葬であれば、保険金200万円程度でカバーできますが、葬儀保険で墓や仏壇の購入までまかないたい場合は、約300万円以上の保険金が必要だと考えておくのがいいでしょう。

葬儀保険の選び方

葬儀保険の選び方のポイントとして、まずは必要な費用から保険金額を考えることが大切です(プランによっては数十万円から設定できます)

次に、保障内容が自分の希望と合っているか、すでに加入している保険と内容が重複していないかを考えましょう。

また、安心して加入できるかも重要な観点です。生命保険会社が破綻した場合は、保険契約者保護機構のようなセーフティネットがありますが、少額短期保険業者は対象外です

そのため、経営的に安定している少額短期保険業者を選ぶ必要があります。財務諸表が公開されていれば内容を確認したり、インターネットで信用できる口コミ・評判を参考にしたりと幅広く情報収集を行ってみてください。

葬儀保険で「安心」を残す!死後の事務を任せたいなら一般社団法人全国シルバーライフ保証協会に相談を

葬儀保険は健康状態の告知が不要な商品もあり、加入できる年齢幅も広いので利用しやすいのではないでしょうか。毎月の保険料も割安なので、終活を考える年代になって、家族に葬儀費用の負担をかけたくないという方は、検討したい保険といえます。

ただし、加入するプランや期間によって元本割れのリスクがあります「どの程度まで葬儀保険で費用をカバーしたいのか」を明確にして、受け取れる保険金から逆算して考えることが大切です。

もし自分の葬儀を託せる家族がいない場合は、一般社団法人全国シルバーライフ保証協会にご相談ください。自身が亡くなった後の連絡や手続き、必要費用の支払いなど、死後の手続きに関してサポートを行っています。

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この記事の担当者

大倉 弘行シルバーライフカウンセラー│東京シルバーライフ協会代表理事│BF・H株式会社常務取締役

大倉 弘行シルバーライフカウンセラー│東京シルバーライフ協会代表理事│BF・H株式会社常務取締役

2009年ベストファームグループ入社。2013年から高齢者の身元保証、任意後見、死後事務委任等のサービス「オーカスタイル」の立ち上げに従事。2019年 東京シルバーライフ協会代表理事として、同グループの高齢者支援事業の責任者を務める。

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