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「老衰」とは?亡くなる状態?前兆や家族ができる備えについて

健康/認知症
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老衰という言葉が、実際にどのような状態を指すのかを正確に知っていますかここでは老衰の定義や、老衰死の前兆、老衰死への備えとして本人や家族にできることを解説します。

高齢者にみられる「老衰」の定義について

はじめに、高齢者にみられる「老衰」の定義や基本的な情報について解説します。

老衰とは?厚生労働省の統計データが意味するもの

厚生労働省は「死亡診断書記入マニュアル」で、老衰の定義を「高齢者で他に記載すべき死亡の原因がない、いわゆる自然死」としています。

病気や外傷などの原因で死亡した場合や、延命治療の末に死亡した場合は老衰とはいえません。加齢で身体機能が自然に衰えて死亡したと判断されたときに、死亡診断書に「老衰」と記載されます

老衰による死亡率は、2000年頃を境に増加傾向にあります。老衰による死亡率が増加している背景として考えられるのが公的介護保険制度の普及です。公的介護保険制度の普及で高齢者の死亡場所が変化しています。

厚労省の統計データ上では2000年時点で全体の約1割だった介護施設での死亡率が、2020年になると約5割に増え、介護施設で最期を迎える方が増えています。

一方で、病院での死亡率は2000年には約8割でしたが、2020年になると約7割に減っています。

病院で亡くなる場合、直前まで治療されることがほとんどなので、基本的には死亡診断書に老衰と記載されません。

一方で介護施設で亡くなる場合、延命治療が施されないことも多く、死亡診断書にも老衰と記載されることが多いです。

介護施設での死亡率が増え、死亡診断書に老衰と記載されることが増え、統計上、老衰による死亡数が高くなっていると考えられます。

そのほかにも、死への価値観が変化して自然な死を選ぶ人が増えたことも、老衰が増加する背景と考えられるでしょう。

老衰死は何歳から?気になる年齢の目安

老衰死の年齢的な目安はなく、老衰死か否かの判断は医師によって分かれます。強いて言うならば、死亡時の年齢が90歳以上であれば、老衰死と判断する医師が多いようです

中には、死亡時の年齢が平均寿命を超え、かつ、他に死亡の原因が見当たらないケースであれば、老衰死の判断を下す医師もいるようです。

老衰死の前兆にはどのようなものがある?

老衰の原因は生物学・医学的に身体を形成する細胞や組織の機能が老化にともなって機能の維持ができなくなるためと考えられています。最終的には代謝・免疫・回復能力の不全により老衰死に至ります

ここからは、老衰死の前兆である睡眠時間の増加と身体機能の低下、体重の減少についてわかりやすく解説します。

睡眠時間が増加する

老衰死の前兆のひとつが睡眠時間の増加です。

眠たそうにしていることが増え、次第に肩を叩いたくらいでは目を覚まさないほど深い眠りに落ちるようになり、最終的には脳機能の低下により一日のほとんどを眠って過ごすようになります。

睡眠時間が長くなると口から栄養を摂取する機会が減るため、身体機能や脳機能はさらに低下します。

また、脳機能の低下が幻覚症状や意識障害を引き起こし、正常な意識レベルを保てなくなってしまう人もいるようです。

身体機能の低下

老衰の前兆として、筋肉や臓器の萎縮による身体機能の低下も挙げられます。臓器が萎縮する理由は、老衰で自然に細胞が減少するからです。

臓器が萎縮して正常に機能しなくなるにつれ、身体のあちこちに様々な不調が現れるようになります。年齢を重ねると身体の細胞が寿命を迎え、筋肉の働きも衰えていきます。

筋肉が萎縮して筋力が低下すると、転びやすくなったり、階段の上り下りが難しくなったり、しゃがんだ状態からの立ち上がりが難しくなったりして、日常生活に支障をきたします。

また、少しの移動でも疲れるようになることから、行動範囲が自然と狭くなる人が多いです。

体重が減少する

老衰で自然に細胞が減少していくと十二指腸や小腸等の消化器官が萎縮して正常に機能しなくなります

消化器官の働きが衰えると、食事から栄養を吸収しにくくなるため、体重が減少し見た目からも分かるほどに痩せ細ります。

老衰がさらに進行すると自力での食事が難しくなり、介助が必要になってきます。

要介護度などの条件を満たす必要はありますが、自力での食事が難しくなったらデイサービスなどの利用を検討するのも良いでしょう。

また、栄養不足は睡眠時間の増加や身体機能の低下をはじめ、その他の老衰の症状に拍車をかけます。老衰の進行ペースをできるかぎり緩やかにするためにも、栄養状態に気を配ることが大切です。

家族ができる老衰死への備え

ここからは、家族ができる老衰死の備えについて解説します。

本人の葬儀に対する希望や延命治療に関する意思を確認してあげたり、遺言書の作成について本人が元気なうちに相談したりしておくことで、老衰死に対する本人の不安を軽減できるでしょう。

本人の葬儀に関する希望を確認しておく

葬儀は、家族や親しい人々にとって故人をお見送りするための大切な儀式です。

本人が元気なうちに葬儀の話をするのは気が引けるかもしれませんが、他ならぬ本人の希望を反映するためにも、意思疎通ができるうちに確認しましょう

本人に確認すべき項目は、大きく分けて次の2つです。

  • どのような葬儀にしたいか(形式、規模、宗教、雰囲気、内容)
  • 誰に参列してほしいか

 

本人の希望を確認したら、次は葬儀プランについて下調べをします。葬儀会社の中には柔軟な対応をしてくれるところも多いので、ぴったりのプランが見つからない場合は葬儀社に直接相談してください

目ぼしい葬儀社が見つかったら、いざというときに慌てずに済むよう、パンフレットや資料を事前に取り寄せておきましょう。

本人から葬儀に関する詳細な要望が出る場合は、エンディングノートに書き記してもらうなど、後から再確認できる形で保管しておくのが安心です。

エンディングノートとは|作り方・書くべき内容をわかりやすく解説

延命治療をどうするのか?意思確認

老衰や病気などにより本人との意思疎通ができなくなった場合は、家族が本人の代わりに延命治療の判断を下すことになります。本人の意思を尊重するためにも、延命治療の希望についても話し合うことが重要です。

本人の意思を明確な形にして残したい場合は、公益財団法人「日本尊厳死協会」が作成する「リビング・ウィル(終末期医療における事前指示書)」を本人に作成してもらうのが良いでしょう。

もちろん、本人がリビング・ウィルの作成を希望しない場合は強制はできず、人によってはリビング・ウィルの作成をお願いしただけで、気分を害してしまうこともあるため、慎重に話を切り出す必要があります。

延命治療の意思を確認する際は、第一に「本人の意思を尊重するため」という目的をしっかりと伝えた上で話を進めましょう。

遺言書を準備する

本人が元気なうちに、遺言書についても相談したいところです。遺言書があれば、遺産相続手続きが円滑に進みます。遺言書がない場合は相続手続きを遺産分割協議で進めることになります。

遺産分割協議では相続人全員の意見を一致させて手続きを進めなければいけません

財産をどのように分配するか相続人たちだけで決めるのは大変です。

遺言書で相続人の財産を誰に、どの割合で相続させるか決めておけば遺産分割協議も不要になり、遺産の分配に関して家族の間で争いが起こるといったトラブルを防げます。

遺言書について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

遺言書の効力とは?どんな事項を指定できる?無効になるケースも解説

また借金がある場合は注意が必要です。借金も相続の対象であり、家族が借金の存在を知らないままだと、死後にトラブルが生じやすいので、やはり本人が元気なうちに相続について話し合うことが望ましいです。

終末期医療(ターミナルケア)とは

老衰や疾病などに対するあらゆる治療に効果が望めず、余命が数ヶ月以内と宣告された後の時期を「終末期」といいます。終末期医療(ターミナルケア)とは、その終末期に施される医療の呼び名です。

終末期医療の主な目的は、認知症や老衰の方々が心身の苦痛を和らげることで生活の質の維持・向上にあります。

そのため、終末期医療では基本的に延命治療は行われません。終末期医療は精神的な平穏や生活の充実を優先したいと思う方に選ばれます。

終末期医療も基本的には医療保険制度に準じます。75歳以上の高齢者は後期高齢者医療制度の対象であるため、原則として終末期医療でかかった医療費の2割を窓口で負担します。

ただし、一定以上の所得がある高齢者は例外で、所得の区分に応じた金額(医療費の3割)を窓口で負担しなければなりません。

エンディングサポートは全国シルバーライフ保証協会へご相談ください

穏やかな最期を迎えるためには、人生の終わりについてしっかりと考えることが重要です。

体重の減少や筋力の低下、睡眠時間の増加といった老衰の前兆が現れる前に、延命治療や葬儀、そして相続などに関する考えを整理しましょう。

あなたらしいエンディングを迎えるためのサポートを、ぜひ全国シルバーライフ保証協会にお任せください

全国シルバーライフ保証協会には終活サポートのスペシャリストが在席しており、身元保証や死後事務など、様々な場面であなたの力になれます。

加えて、葬儀や納骨、医療機関の隊員手続き、行政手続き、遺品整理など死後に関する希望を叶えることに特化したサービスも提供しているので、まずは気軽にご相談ください。

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この記事の担当者

大倉 弘行シルバーライフカウンセラー│東京シルバーライフ協会代表理事│BF・H株式会社常務取締役

大倉 弘行シルバーライフカウンセラー│東京シルバーライフ協会代表理事│BF・H株式会社常務取締役

2009年ベストファームグループ入社。2013年から高齢者の身元保証、任意後見、死後事務委任等のサービス「オーカスタイル」の立ち上げに従事。2019年 東京シルバーライフ協会代表理事として、同グループの高齢者支援事業の責任者を務める。

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