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エンディングノートとは?おすすめの選び方・書き方を紹介

終活

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終活に興味を持つ方が多くなっています。その中でもエンディングノートの作成から終活を始めるという方が多くいらっしゃるように思います。しかし、エンディングノートの役割や作り方は、まだまだ一般の方に広く知られているとは言えません。

そこで、この記事ではエンディングノートが何かを詳しく紹介していきます。選び方などもあわせて説明しますので、自分のエンディングノートを作成する際に役立ててください

そもそもエンディングノートとは

死は誰にでも平等に訪れるものです。エンディングノートとは、その死に備えて、自分に関するさまざまな情報を書き出したもののことです。終活ツールのひとつとして用いられており、終活ノートと呼ばれることもあります。

自分の情報や死後の希望をエンディングノートに書き出しておけば、残された家族や親族がスムーズに相続関連の手続きや葬儀の準備ができます。書式に決まりはないので自由に書き出すのも良いですが、市販のエンディングノートを使えば記載しておくと良いとされる項目が印字されているため、書き漏らす心配がありません。

また、エンディングノートを活用することで自分自身の人生を振り返り、残りの人生を豊かにするきっかけになることもあります。

遺言書のような法的効力はない

エンディングノートと同じように自分の死後のことについて書かれたものとして、遺言書の存在があります。遺言書は遺産相続などの希望を書き表したもので、財産に関する法的効力がありますが、エンディングノートには法的な効力がありません

エンディングノートには葬儀の方法やペットのことなど、財産以外にも様々な希望を書くことができます。しかし、その内容を必ず家族や親族が実現しなければならないわけではないのです。ではなぜ、エンディングノートが必要なのでしょうか。残す意味をメリットから見ていきましょう。

エンディングノートを作成する4つのメリット

エンディングノートを作成するメリットは大きく4つあると考えます。

自分の希望を伝えられる

死後、生前の希望が家族に伝わっていないと、処理や対応に迷うものが出てくる可能性があります。そこで、エンディングノートに自分の希望を明確にしておけば、それを見た家族はスムーズに対処できます。

家族・親族の相続の負担が軽減される

生前の介護や延命措置・葬儀の方法や費用など、エンディングノートで本人の希望が明記されていれば、記載通りの内容で物事が進められます。その場で選択に迷うことがなくなり、家族や親族の負担軽減にもつながります。

現在の家計・資産を整理できる

自分の財産状況をエンディングノートに書き出しておくと、自分でも全体の財産が把握できて家計や資産の整理ができます。現在の財産状況が分かれば、これからの人生の過ごし方について計画を立てることができるメリットがあります。

残りの人生をより豊かにできる

エンディングノートを書いていくと、自分の人生を振り返るきっかけにもなります。残された家族のためになるだけでなく、これからの余生をどう過ごすのか決められれば、自分の残りの人生をより豊かにできるのです。

エンディングノートの選び方を解説

エンディングノートは書店などに市販されているほか、役所でももらえることがあります。それでは、エンディングノートを選ぶ際には何に注意すればいいのでしょうか。ここでエンディングノートの選び方を解説します。

選び方1:自分の歴史を振り返れるページがあるものを選ぶ

人生をしっかり振り返りたい人は、自分の履歴をかけるページがあるエンディングノートがおすすめです。自分の歴史を振り返られるページがあるものを選べば、これまでの人生を振り返りながら将来について落ち着いて考えられます。

選び方2:葬儀・相続の項目が充実しているものを選ぶ

葬儀やお墓、遺言や相続などの情報伝達を目的にエンディングノートを書こうとしている人には、葬儀・相続の項目が充実しているものがおすすめです。自分で話せなくなったり亡くなったとき、要望を書いておけば家族や親族が参考にできます

不動産など相続人同士で均等に分けられない財産は、遺産相続の際に争いの元となりやすいです。この争いを未然に防ぐために、エンディングノートに遺産分割の方法などを書いておくと安心です。

また、葬儀や埋葬の方法について特に希望を持っている場合にも、エンディングノートに書いておけば家族や親族に伝えられます。そのほか、延命治療の希望なども書いておけば役立ちます。

選び方3:備忘録として活用しやすいものを選ぶ

エンディングノートを備忘録としても活用するのであれば、銀行口座や保険、クレジットカードの情報などを明記できる欄があるものを選ぶのがおすすめです

亡くなったときに家族や親族が相続手続きを進めやすいだけでなく、生前の日常生活でも自分自身の覚え書きとしても活用できます。いざというときに活用できるよう、思いついたときにすぐ記入しておきましょう。備忘録として活用する場合、メモ欄が多いものを選ぶと自由に記入できて便利です。

選び方4:解説付きなら終活のノウハウを学べる

終活をどう進めていいか分からない人には、解説付きのエンディングノートがおすすめです。

エンディングノートの中には、解説やコラムが付いたものもあります。終活で使用される用語の説明や断捨離の方法を参考にすれば、エンディングノートに書き出す内容を整理したり、終活を具体的に進めるきっかけにしたりできます。

また、著名な人の名言の紹介などが載っていれば、残りの人生を豊かに過ごすためのヒントが得られるかもしれません。

選び方5:紙質・記入欄で選ぶ

書き込みやすさも、エンディングノートを選ぶ際に大切にしたいポイントです。まず紙質は、なめらかに記入するのが好みであれば、上質紙を使用したものがおすすめです。万年筆を使用している場合、上質紙であれば特に書きやすくなります。

記入欄は、大きさや項目の数をチェックして書きやすいタイプを探しましょう。記入欄が小さいと書きづらく感じ、項目数が多すぎると面倒になります。書くことが苦手な人は、項目数が少ないものの方がとっつきやすいかもしれませんね。

選び方6:ボリュームで選ぶ

ボリュームも、エンディングノートを選ぶ際のポイントになります。分量をどれだけ書きたいのか考えて、適切なエンディングノートを選びましょう。初めてエンディングノートを書く人や必要最低限の項目があればいい人は、シンプルタイプがおすすめです。厚みがなくて保管しやすいほか、値段も比較的安く手に入れられます。

人生の終わりについてしっかり考えたい人は、記載項目が豊富なタイプがおすすめです。基本情報だけでなく、自分史や相手へのメッセージを残しておきたい人に適しています。現在必要な項目だけを埋めたい人には、ルーズリーフ、ファイルタイプがおすすめです。ライフステージに合わせて情報を入れ替えていくことができます。

選び方7:デザインで選ぶ

見た目から入るのも良いきっかけになります。エンディングノートは購入するだけでなく、書かなければ意味がありません。そこで、自分のお気に入りのデザインのエンディングノートを選ぶと、書く気が起きやすくなります。書く項目に大差がないのであれば、気に入った色やイラスト・サイズを確認して選ぶことをおすすめします。モチベーションの上がるデザインを探してみましょう。

選び方8:プラスアルファの特典・付属品で選ぶ

エンディングノートの中には、特典や付属品のついたものも存在します。ノートと一緒に大切なデータを保管できるCD-Rのケースや、長く保管できるようノートカバーが付いたものが販売されています

特典を活用してエンディングノートを書いていけばモチベーションが上がるため、選択に迷ったら特典や付属品の付いたものを選ぶのもおすすめです。ただし、特典や付属品の付いたエンディングノートは他の商品と比べて値段が高くなりがちです。

エンディングノートの書き方とは

エンディングノートの書き方は基本的に自由で、専用のノートを購入する必要もありません。購入する場合は、記載された内容に従って希望を明記するだけです。ここでは、エンディングノートに記載すべき項目やポイントを紹介します。

基本情報

エンディングノートには、自分の基本情報を記載します。主な項目は以下のとおりです。

  • 氏名
  • 生年月日
  • 現住所
  • 本籍地
  • 血液型
  • 家族構成

 

以上の項目は、死後の手続きを行う際に必要となる情報です。正確な情報を記載するよう注意しなければなりません。

また、デジタル遺品についての情報も必要です。デジタル遺品には、スマートフォンやパソコンの保存データやネットサービスのアカウントなどがあります。情報の性質上、家族や親族には分からないものが多く、存在やパスワードなどをしっかり伝えておかないと把握や管理が難しいものです。

デジタル遺品の扱いで残された家族に負担がかからないよう注意しなければなりません。また、知られたくないデータはあらかじめ整理しておくと安心です。

資産・財産

預貯金や不動産など、資産や財産もエンディングノートに記載しておきます。自分の資産や財産を、家族や親族が把握しているとは限りません。銀行・口座番号、不動産など、所持している資産や財産が全て記載してあれば、相続が発生した際にもスムーズに手続きを進められます。ただし、重要な情報のため、紛失しないよう注意が必要です。

家族・親族

家族や親族に対して、思い出やメッセージなどを残しておくのもおすすめです。また、遺産分割の方法についても触れておくとトラブルの回避につながります。家族や親族について書いておくと、思い出を振り返るきっかけにもなります。

知人・友人

知人や友人に対して感謝のメッセージを記載しておくこともおすすめできます。ありがとう、という言葉はなかなか言い表せません。エンディングノートを利用すれば感謝を伝えられます。一緒に写真を貼っておけば、思い出が蘇ります。

ペット

一人暮らしの人は、残されるペットが心配になるでしょう。そこで、エンディングノートでペットについて記しておくと安心です。引き取って世話をしてくれる人を指定するとともに、ペットの好き嫌いや性格、病歴も記載しておきましょう。

介護・医療

認知症で判断能力が衰えてた場合や、意思の疎通が難しくなった場合、延命治療の判断が必要になった場合など、本人の意思が分からないと、家族が重大な決断を下さなければなりません。エンディングノートに自分の意思などを書いておくと、家族も安心できます。

葬儀・お墓

葬儀や埋葬方法も多様化が進み、選択肢が増えています。しかし、死について直接話し辛いこともあるでしょう。エンディングノートに本人の意思を書いて家族に伝えておけば、望む形で葬儀やお墓の選択をしてくれます。

相続・遺言

自分の死後に相続人同士でトラブルの心配があるなら、遺言書を書き、エンディングノートに遺言書の保管場所を書いておくと安心です。相続財産を負債も含めて書き、生前に整理しておくと、相続人の負担が減ります。

まとめ エンディングノートで自分の人生を振り返ってみよう

エンディングノートは、特徴を持ったものが多く販売されています。それぞれ長所と短所があるため、記入する項目やボリューム・デザインなど、自分に合ったものを手に入れればモチベーションも上がります。

残された家族や周囲の人に対して、エンディングノートに自分の情報や意思を書いておけば、手続きの際に負担が軽減されるとともに、本人のことを思い出してくれるきっかけにもなるでしょう。

全国シルバーライフ保証協会では、通夜やお葬式などのエンディングサポートといった高齢者生活の支援を提供しています。終活を進めるにあたって、エンディングノートの書き方なども相談できます。終活を具体的に考えているのであれば、一度相談してみてください。

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この記事の担当者

大倉 弘行シルバーライフカウンセラー│東京シルバーライフ協会代表理事│BF・H株式会社常務取締役

大倉 弘行シルバーライフカウンセラー│東京シルバーライフ協会代表理事│BF・H株式会社常務取締役

2009年ベストファームグループ入社。2013年から高齢者の身元保証、任意後見、死後事務委任等のサービス「オーカスタイル」の立ち上げに従事。2019年 東京シルバーライフ協会代表理事として、同グループの高齢者支援事業の責任者を務める。

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