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終活ノートのメリットとは|作り方やおすすめの項目を紹介

終活

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自分の最期を考えて、あらかじめ必要な情報をまとめたり、身辺整理を行うことを終活といいます。

終活のひとつに自作の終活ノート作成があります。終活ノートはエンディングノートとも呼ばれるもので、最期のときに備え、自身に関する情報をまとめるためのノートです。終活ノートは自由に作成できるため、自身の死後の希望だけでなく、病気・介護が必要になった際の方針などについても記すことが可能です。

そこで本記事では、終活ノートの特徴やメリットを詳しく解説していきます。終活ノートの書き方についても紹介するのでお役立てください。

終活ノートのメリットとは

終活ノートに葬儀や形見分けのリストを書き込めば、残された家族・親族がスムーズに相続手続きを進められるでしょう。

家族や親しい人へのメッセージを記すことで、生前伝えられなかった感謝の念も残せます。家族や親しい人にとっても、「愛する故人からの手紙」として思い出に浸れるのではないでしょうか。

また、引き落とし口座やクレジットカード、SNSやデジタルツールの情報を記載しておけば自身の備忘録としても役立ちます。

資産に関する情報を書き込むことで、現在の経済状況を把握できるというメリットもありますし、残りの人生と向き合うきっかけにもなります。

60代以降に終活ノートを作成する人もいますが、体力や判断力がある40代~50代で終活ノートを始める人も増えているようです。

あくまでも自分の希望を記載するだけ

前提として、終活ノートと遺言書は異なります。終活ノートには法的な効力や強制力はないため、財産分与の希望を書き残しても、家族・親族が必ず実現してくれるとは限りません

法的な効力がある遺言をしっかり残したい場合は、形式・ルールに従って作成する必要があります。財産相続や子供の認知など、遺言書の内容は厳格に定められているため、自由に記載できる終活ノートとはタイプが異なるものです。

自身の今までの人生、現在の状況、将来の希望をまとめたいと考えている人には終活ノートがおすすめです

そもそも「終活」とはなにか、おさらいしたい方はこちらの記事をご覧ください。

終活とは?何を準備すればいい?終活でやること

終活ノートの作り方は主に3種類

終活ノートの主な作り方として次の3種類があります。

  • 終活専用ノート
  • スマホ・パソコン
  • アプリ

 

それぞれ解説していきます。

終活専用のノートを購入する

書店などで販売されている終活専用ノートは、エンディングノートとして販売されていることが多いです。記載すべき項目があらかじめ印刷されているため、終活ノートを作ったことがなくても作成しやすいでしょう。

値段は1,000円~2,000円程度と一般的なノートよりも高めですが、保護シール付きの終活専用ノートもあり、個人情報を記載しやすい作りになっています。

1冊目の終活ノートとして専用ノートを利用したのち、内容を書き直したい場合は一般的なノートで作成する、という選択肢もあります。

なお、終活専用ノートはネットで画像検索すれば、無料でイメージをつかめるので、まずは調べてみてはどうでしょうか。

スマホ・パソコンで作成する

終活ノートは手書きにこだわる必要がありません。最近はスマホやパソコンでダウンロードできる終活ノートもあるため、手書きよりもデジタルツールに馴染んでいる場合は検討しましょう。

特にサブスクリプションやSNSはサービスの変更や追加が多いため、スマホやパソコンで記録する方が効率的です。パスワードの誤記や誤読対策にもなります。

注意点として、家族・親族に存在を伝えておく必要があります。手書きの終活ノートよりも見つけづらいからです。

アプリを利用する

専用の終活アプリも人気があります。パスワードの誤記や誤読対策になる点はダウンロードできる終活ノートと同様で、文字以外に画像や動画を記録できるスマホアプリもあります。最近では金融機関の口座情報とも連携するなど、資産管理ができるものも出てきました。

ただし、ログインパスワードの失念や、サービス自体が終了するケースもあるので、終活専用ノートと併用するなどの工夫が必要です。

終活ノートをうまく活用するコツとは

終活ノートをうまく活用するには、家族・親族との保管場所の共有、および定期的な情報更新がポイントになります。

保管場所は家族・親族に共有する

自分の死後、終活ノートを見つけてもらえなければ活用されません。人目につきやすい場所は避けるとしても、信頼できる家族・親族と終活ノートの存在、保管場所を共有しましょう。

たとえば仏壇やタンスに保管したり、金庫に入れるという選択肢があります。金庫の場合は鍵の在処も合わせて伝える必要があるでしょう。

定期的に情報を更新する

終活ノートを作成して一定期間が経過すると、書いた情報が古くなります。

健康状態のような自身に関する新しい情報が増えることもあれば、介護が必要になったときの方針や、葬儀に関する希望が変化する可能性もあります。

あらかじめ情報の更新日を決めて、定期的に内容を修正・書き足すといいでしょう

終活ノートを作成する流れとは

終活ノートには自分の基本情報や財産内容、利用中のサービスや保険、家族や友人へのメッセージ、医療・介護の希望などを記すのが一般的ですが、書きやすい部分から進めることが大切です。

自分に関する基本情報を記載する

一般的に終活ノートの冒頭には自分に関する情報を記載します。具体的には生年月日、本籍地、健康状態、血液型、家族構成、学歴、職歴、資格といった基本情報なので、書きやすいでしょう。

基本情報の中に人生のターニングポイントを含めれば、今までの歩みを自分史として振り返るだけでなく、今後の人生設計に繋がるヒントを得られるかもしれません。

また自分の趣味や好みを書いておけば、介護が必要になったときに家族・親族が気を配ってくれる可能性があります。

資産・財産の内容、保管場所をまとめる

終活ノートは遺言と異なり、財産の分け方を書いても法的な効力はありませんが、家族が知らない銀行預金、株式、不動産、貴金属などがあれば書き残しましょう。存在が不明な資産・財産は相続できないからです

印鑑や通帳などの保管場所もまとめておくと、相続の際に家族・親族が困らなくて済みます。逆に保管場所が分からない場合、家族は慌ただしい中で家中を探す必要があるので注意してください。

マイナスの財産も忘れない

クレジットカードを使用してキャッシングやショッピングの残高があったり、各種ローンが残っている場合は忘れずに記しましょうそのようなマイナス財産の存在を家族・親族が知っていれば、相続放棄という選択も検討できます

ただし、相続放棄は相続が開始してから3ヶ月以内に手続きを完了させる必要があるので、その点も合わせて記載する方が親切かもしれません。

マイナスの財産が預貯金のようなプラスの資産を超える場合、相続する家族・親族に迷惑をかけるケースがあるため注意しましょう。

利用中のサービスをまとめる

水道、ガス、駐車場、習い事、貸金庫など、利用しているサービスを一覧でまとめておくと親切です。インターネット上のアカウント、ID・パスワードもあわせて記載しておきましょう。

特にSNSのようなアカウントに関しては、「死後にどのような対応を希望するか」も合わせて書き残す方がいいでしょう。たとえばTwitterはアカウント削除する、ブログは家族による定期的な更新を希望する、といった対応があります。

加入中の保険を記載する

加入中の生命保険や医療保険があれば、保険会社、連絡先、担当者名、証券番号、契約者名、保険金の受取人といった情報を終活ノートに残します

自分の死後、生命保険金の請求手続きを家族がスムーズに行えるという以外にも、医療保険によって医療、介護を受ける際の保険金費用をまかなえる可能性があるでしょう。

医療保険の存在を家族・親族が知らない場合、自費で補わなければいけないので気を付けてください。

家族・親族への感謝の気持ちをつづる

家族・親族への思い出や感謝の言葉をつづることで、生前に伝えられなかったメッセージを残すことができます。誰に終活ノートを渡すかを考えるきっかけにもなるでしょう。

友人・知人への言葉、連絡先をまとめる

大切な友人・知人への言葉を残しておけば、死後に思いを伝えることができます。その際は名前・続柄・連絡先を表形式でまとめることで、残された家族・親族が葬儀などを案内しやすくなります。友人・知人の写真を貼るのもおすすめです。

LINEのようなコミュニケーションツールで連絡を取り合っている場合は、終活ノートに友人・知人のLINEアカウントを残しておくとやり取りがスムーズに進むでしょう。

ペットの好み・病歴、引き取り先を記載する

自分の死後にペットが残されてしまう場合は、引き取り先を考えておく必要があります。その際はあらかじめ相手に相談したうえで、ペットが普段食べているものや遊びの好み、病歴などを記入するといいでしょう。

医療、介護の希望をまとめる

終活ノートは自身の死後を想定したメッセージ以外にも、生きている間に自分の意思を伝えられない状態になったり、判断能力が低下したりした場合の希望を記せます。

医療、介護の希望を明確に記すことで、終末医療はどこまで受けたいのか、希望の介護施設はあるのかなど、家族の負担を軽減できます。費用の捻出方法も書いておくと親切です。

他にも、持病や常備薬があれば忘れずに記載しましょう。

葬儀・埋葬の希望を考える

葬儀・埋葬の希望を残すことで、家族は迷いなく手続きを進められます

葬儀は小規模な密葬にするのか、友人・知人を多く呼ぶのか、埋葬は一般的な納骨にするのか、散骨にするのかなどの希望も書きましょう。遺影に使う写真や、喪主に関する希望も残しておく方がスムーズです。

他にも、信仰する宗教や納骨の場所、お墓があれば寺院や霊園の住所、連絡先も残すといいでしょう。

家族は余裕がない中で葬儀・埋葬を進めなければならないので、手続きが円滑に進むような配慮が大切です。

遺言書の有無・保管場所を記載する

遺言書を残す場合は、その存在と保管場所を終活ノートに記します。遺言書の種類や作成時に協力してもらった専門家の連絡先なども書いておくといいでしょう。

まとめ 書きやすい項目から終活ノートを埋めてみよう!

終活ノートを書くことで、自身の死後に家族・親族がスムーズに手続きを進められるだけでなく、備忘録や現状の把握にも役立ちます。

作成方法には終活専用ノート、スマホ・パソコン、専用アプリがありますし、保管場所の情報共有や定期的な更新もポイントですが、大切なのは実際に書いてみることです。

まずは書きやすい項目から埋めることで、少しずつ内容がまとまっていくのではないでしょうか。

なお、全国シルバーライフ保証協会では、財産管理・任意後見、葬儀・納骨などの終活サポートを提供しています。

司法書士などの士業法人グループが母体なので、安心してご相談ください。

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この記事の担当者

大倉 弘行シルバーライフカウンセラー│東京シルバーライフ協会代表理事│BF・H株式会社常務取締役

大倉 弘行シルバーライフカウンセラー│東京シルバーライフ協会代表理事│BF・H株式会社常務取締役

2009年ベストファームグループ入社。2013年から高齢者の身元保証、任意後見、死後事務委任等のサービス「オーカスタイル」の立ち上げに従事。2019年 東京シルバーライフ協会代表理事として、同グループの高齢者支援事業の責任者を務める。

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